矯正治療と年齢について
本日はカウンセリング中によく質問される二十歳を超えてからの矯正について書こうと思います。
「この歳になって矯正始めるのはどうなんでしょう・・」
このような相談を受けることが結構あるのですが、結論からいうと
歯を動かすことに年齢制限はない です。
今まで最高齢で65歳の患者さんがいましたが、特別動くのが遅かったと感じるほどではなかったです。
ただし、一般的にやはり若いうちの方が矯正治療はしやすく、その理由は主に以下の通りです。
①歯を並べるための土台となる骨の成長、変化が見込めない。
②噛み方、口周りの筋肉の動きの変化に若い人の方が適応できる
③今の噛み方に合わせて、歯が削れ形が変わってしまっている
④歯並び以外の疾患がある
まず一つ目の顎の成長変化ですが、歯が生えていく際に骨も一緒に成長していくため、歯並びが悪い=骨の形も悪い、とも言え、二十歳を過ぎて成長が止まってしまうとそのあとから顎の形を大きく修正することが難しくなってしまいます。
グラフは教科書からスキャンしたものですが、このグラフのとおり中学生くらいであればまだ成長の余地が1~2割ほどあるため、小さい顎を大きくしたり、大きい顎を小さくしたり、ある程度コントロールが出来ます。
しかし、二十歳を超えてしまうと今ある顎を使って歯並びを整えなければいけないので、言葉は悪いですが歪んだ顎にいくら綺麗に歯を並べてもバランスは悪くなってしまいます。
二つ目は、筋肉の動きの適応です。
漢字にすると分かりにくいですが、簡単にいうと、出っ歯の人を治した場合、歯並びが治るにつれ唇を閉じる筋肉が発達して唇が閉じていく人と、出っ歯のときの位置のまま唇が閉じない人に分かれます。
筋肉の動きは歯並び・かみ合わせと連動しているため、その動きがバラついていると後戻りや見た目の悪さの原因になってしまいます。
この連動が若い人の方が早く、年齢を重ねるほど遅くなってしまいます。
ただし、この項目に関しては時間が掛かるだけで最終的には適合することがほとんどです。
三つ目は単純で、斜めに並んでいた歯をまっすぐに治した場合、噛みぐせで歯が削れていると、逆に歯の先端が斜めに見え、目立ってしまいます。
削れてしまった歯は少量であれば調和を取れば目立たなく出来ますが、あまりに量が多い場合は差し歯等の処置が必要になってしまいます。
四つ目は当たり前ですが、子供より大人の方が、虫歯や顎関節症、歯周病に罹っている人、罹っていた人の割合が高いです。
多くの場合は治療するにあたり問題にはならないのですが、歯周病だけは矯正治療にとって一番の障害であるため注意が必要です。
以上が若い(特に10代までの)方が矯正治療の効果が見込める理由です。
ただし、もちろん人によるところもあり、完成度の差(10代を100%としたら20代で90%、30代以降で70~80%といったところでしょうか)を除けば、一番の問題は「やる気」に尽きると思います。
若い頃に比べると環境の変化に慣れるまでにはどうしても時間が掛かってしまいます。
しかし、そこを考えてもなお、並びをよくしたい!という気持ちが強ければ治療自体はスムーズに行くことが多いです。
実際一番大変なのは、親に言われてイヤイヤしてる中高生の男の子だったりしますので、笑
今までの患者さんの層としてはおよそ、
10代 20% 20代 40% 30代 30%
40代 5% 50代以降 5%
くらいでしょうか。
矯正をするのに遅すぎるということはありませんので、話だけでも聞きたいと思われた方は是非一度無料カウンセリングにお越し下さい。